ThinkPad T60のファン交換
ThinkPad T60 2623-23I 14.1インチタイプのカスタマイズモデルです。
CPU インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー T7200 2GHz
モバイル インテル® 945PM Express チップセット
ビデオ・チップ: ATI MOBILITY RADEON X1300
1.注文
TinkPad
T60のファンがうるさくなってきてブンブンと音を立てるので、交換したいと思いました。
保守マニュアルでFRU番号を確認したところ、
2623-***という型番に該当する「サーマル・デバイスおよびファン」のFRU番号は
41V9932と41W6407の2種類あります。
2623-***の型番を持つものには14.1インチタイプと15.0インチタイプがあり、
この部品に関しては、違うのか同じなのかもわかりません。
若松通商のページを見ると41W6407には(後期型)と書いてありますが、
大きさや形はほぼ同じように見え、互換性がありそうにも思えます。
http://
純正は高いのだろうか。
オークションでバルク品を買ったほうが安く済むのだろうか。
とにかく対応するFRU番号は本家本元へ聞いてみた方が確かです。
IBMの部品センターに電話してみました。
部品センターの電話番号は(検索すれば出回っていますが)公開されていないようなので
お客様窓口 0120-80-4545に電話しました。(修理受付のスマートセンターに電話すると電話番号を教えられるらしい。)
http://shopap.lenovo.com/SEUILibrary/controller/e/jpweb/LenovoPortal/ja_JP/special-offers.workflow:ShowPromo?LandingPage=/All/Japan/PUBLIC/Shopping_FAQ/contact_overview&ws=picCat1_1&
音声案内にしたがって数字を押していくとオペレーターにつながりました。
ファンがうるさくなったので交換する部品が欲しいと言うと、ThinkPadの型番を聞かれ、IBM部品販売センターから追って連絡しますとのこと。
半日ほど後に折り返しIBM部品販売センターから電話がありました。
(税抜き4280円+送料500円)x1.05=5019円とのこと。
思ったより安いので注文することにしました。
FRU番号をきくと41W6407だそうです。
41V9932とどう違うのか聞いたら、メーカーが違うとの答え。
FAXで注文申込書を送ってくるので、必要事項を記入して銀行への振込み証明書といっしょにまたFAXで送って注文完了。
在庫がある場合は1週間程度で届くそうですが、月曜日の夕方ぎりぎりに注文を出して、木曜日の朝届いたので早いほうでしょうか。
外箱 |
プチプチシートから出したところ |
IBM保守用部品納品書兼保証書 |
2.ファン外観
CPUに接する部分にはすでにグリスが点描のように塗られています。
グラフィックチップともうひとつ何かのチップに四角い熱伝導シートのようなものがついています。
熱伝導シートの表面には透明フィルムが貼ってあり、これははがさなくてはなりません。
何かのチップはインテルのチップセットではないようです。
Intelと書いてある大きなチップがバックアップバッテリーの下あたりに見えます。
外観裏側 |
グラフィックチップなど |
3.取り外し
事前にすでに交換したことがある人のサイトを見て、ファン全容が見えるところまではずす練習をしておきました。
うっかりミスもありなかなかうまく行かずに何度も繰り返してしまいましたが、はずせるようになりました。
(何度もはずすとねじの先の被覆が取れてくるので、新しいねじセットが必要かも。)
「ThinkPad の CPU
アップグレードとファンアセンブリの交換の顛末」n-yoshiさん
http://blog.lares.jp/log/eid2135.html
・なかなかうまく行かなかったベゼルはずし
裏の2本のねじをはずすのを忘れないでください。(私は忘れて苦労しました。)
ベゼルには無線LANのアンテナガイドがついているので、ガイドからアンテナを丁寧にはずし、ねじをはずします。
まずベゼルの両脇を少し内側に押してから外を向けるようにひねるとうまくはずれます。
そのまま手前に引くと奥の爪がはずれ、液晶ヒンジまわりの凹凸がある形のまま一体となってはずれます。
このあたりは薄いので無理すると割れるかもしれません。(一度目は粘着性があって多少はずれにくい。)
その他の部品取り外し手順はレノボのサポートページからビデオなども見ることができます。
「システム・パーツ取り外し /
取り付け手順(ビデオ)一覧 - ThinkPad T60, T60p」
http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/MIGR-63959
GPUあたりにある金具の押さえを、2本のねじをはずして取りはずします。
長い方の1本はCPUを押さえるねじの1本を兼ねています。
コネクタを抜いてファンアセンブリを取り外します。
全部取り外したところの写真を撮るのを忘れました。
4.清拭
大方の埃は練習した時に掃除しましたが、はずさなければ取れなかった多少の埃を掃除機ですいとりました。
CPUのグリスをふき取ります。
GPUと不明なチップにはほとんどグリスはついていませんが、一応ふいておきました。
どのチップも何かでコーティングされているような感じで、グリスがこびりついていないのですぐにきれいになりました。
次は劣化したスポンジはがしです。
ファンアセンブリに埃よけか緩衝用か細長いスポンジがいくつも貼ってあるのですが、
それが劣化して筐体側に張り付いているのをこそげ落とし、糊状の跡はアルコールで拭きました。
4.取りつけ
新しいファンにはグリスもついているので、CPUのグリスはそのまま、熱伝導シートは透明フィルムを2枚はがして取り付けます。
保守マニュアルどおりにねじを締めます。
ねじを締める順番が指定されていて、GPUの押さえ金具とCPU兼用のねじを最初に締めるようになっています。
締める前にCPU専用のねじ3本とGPU押さえ金具の短い方のねじも差し込んで位置決めしてから締めないとずれてしまいます。
5.組み立て
以上、取り付けたら元通り組み立てます。
6.感想
あの騒音がウソのように、ファンが回転しても静かなのですが、
そもそもあまり熱くならないようで、ファンが止まっている時間が長くなりました。
グリスの劣化による熱伝導率の低下などもあったのでしょうか。
7.おまけ
失敗談
最初熱伝導シートの透明フィルムに気づかず、はがさないで取り付けてしまいました。
少し使ってみるとCPUの温度はあまり上がらないのに、TPfancontrolに示されるGPU温度がファン交換以前より高めです。
異常が出そうなほど高くはないけれど、やっぱり高い。おかしいと思ってもう一度先人の手順を見直したら透明シートがあるらしい。
もう一度開けて、はがしてから取り付け直しました。